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資産運用における「ポートフォリオ」の重要性とは?
作り方も合わせて解説します

金融業界、教育業界、クリエイティブ業界でよく用いられる「ポートフォリオ」という用語。

それぞれ全く異なる業界ですが、いずれの業界でも一般用語として使われ始めています。

この記事では各業界のポートフォリオの捉え方を解説したうえで、資産運用におけるポートフォリオの作成方法について詳しく触れていきます。

公開日:

更新日:2023.04.01

ポートフォリオとは?

ポートフォリオを直訳すると、「折りかばん」「書類ばさみ」「書類ケース」などを指す言葉になっています。いずれも複数の書類をまとめるもの、という共通点があります。

ただし、そのままの言葉で使われるよりも、業界ごとで全く異なる事柄を指す用語として使われるケースが多くなっています。

ポートフォリオが指す意味として各業界で共通なのは、「何かを束ねる」「カテゴライズする」「見やすく分類する」ということ。ただし1つのものとしてくっつけるわけではなく、あくまで複数の異なるものを1つに束ねるという点がポイントです。

業界ごとに異なった捉え方があります

ポートフォリオをわかりやすくいうと、「何かしらの目的を持って束ねるもの」です。しかし業界や仕事によって、捉え方に少しニュアンスの違いが出てきます。

特にポートフォリオという用語が一般的に用いられているのが、次の業界です。

  • 金融業界
  • 教育業界
  • クリエイティブ業界

それぞれ、どのような意味合いで使われているのか、ご紹介していきます。

「金融」用語としてのポートフォリオ

金融業界で使われるポートフォリオは、リスク分散などの目的で複数の商品を組み合わせることをいいます。金融業界でのポートフォリオを表すことわざに「卵は一つのカゴに入れるな!」があります。

下記のイメージ図を見てみてください。

典拠:千葉銀行 はじめての投資信託

左側の図のように、1つのカゴに全ての卵を入れてしまうと、カゴを落とした時に全て割れてしまいます。これを資産運用に置き換えてみると、1つの企業の株式等に全財産を投資した場合に万が一倒産してしまったら、資産の全てがなくなってしまう、というような意味合いです。

金融業界においてのポートフォリオは「リスクの分散」という目的を持ち、もし1つの資産に何かが起こっても資産全体での影響を抑えられるものになっています。

「教育」用語としてのポートフォリオ

教育業界でのポートフォリオの目的は、「教育による成果を評価すること」「複数の要素から正しく能力を評価すること」です。教育による能力の評価方法として一般的なのがテストの点数ですが、テストの点だけで能力を全て把握できるかというと、決してそんなことはありません。つまり他の要素も考慮する必要があるわけです。このような場合に活用されるのが、ポートフォリオ教育です。

「クリエイティブ」用語としてのポートフォリオ

おそらく多くの方にとって最も一般的と思われる”ポートフォリオ”が、クリエイティブ業界での用語です。クリエイティブ業界ではクリエイター自身の作成事例集を、ポートフォリオと呼んでいます。

それを見た人は「この人の作ったものが好き」といった、数値ではない独自の基準で能力を判断できるわけです。つまりクリエイティブ業界のポートフォリオは、第三者に能力や実績を伝える場面や、自身の振り返りに活用するものといえます。

金融業界でポートフォリオが重要視される理由

ここからは、金融業界のポートフォリオに絞って解説していきます。金融業界でポートフォリオが重要視されるのには、4つの理由があります。

<金融業界でポートフォリオが重要視される理由>

  • リスクコントロール
  • 保有資産の見える化
  • 運用成績の把握
  • 目標に対する進捗管理

最も重要な理由が、リスクコントロールです。先述した「卵は一つのカゴに入れるな」という金融業界のことわざがあるように、資産を特定の商品に集中させるとリスクが飛躍的に高くなります。このようなリスクを避けるため、ポートフォリオが有効となっています。

その他にも、ポートフォリオによる運用を実現するためには、「保有資産や運用成績の可視化」「目標に対する運用成績の進捗管理」など、資産運用を行ううえで必要不可欠となる取組が必要となります。

このような理由から、金融業界ではポートフォリオによる運用が一般的になっているといえます。

ポートフォリオの作り方

資産運用のポートフォリオを作る際は、下記3ステップを経て進めていきます。

  1. 運用方針を決める(ゴール設定)
  2. 資産配分を決める
  3. 投資先を決める

それぞれのステップのポイントについてご案内していきます。

運用方針を決める

最初に行うのは、「運用方針を決める」ということ。運用方針とは、資金の目的や目標額、当初入金額、毎月の積立額などの目標設定・ゴール設定をいいます。

こう聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、資金の目的さえ決まってしまえばあとは必然的に決まってくるので、難しく考えなくて大丈夫です。

ここでは老後資金を目的に設定して、下記の条件をもとに運用方針を決めてみます。

<運用方針シミュレーション条件>

  • 性別…男性
  • 年齢…35歳
  • 想定年金額…月16万円(国民年金+厚生年金の合計)
  • 老後の想定支出額…月23万円
  • 65歳時点の想定貯蓄金額…300万円
  • 日本の男性平均寿命…81歳

老後資金の場合、老後の支出を想定しながらシミュレーションを行います。上記条件でいうと、月16万円の年金から23万円の支出を差し引くと、毎月7万円の不足が発生しますよね。この7万円の不足が年金受給開始年齢の65歳から平均寿命まで続くと想定すると、貯蓄と合わせて1,344万円が必要になることがわかります。

65歳時点の想定貯蓄金額が300万円なので、残りの1,044万円を35歳から65歳までの30年間で資産形成する必要があるわけです。このように、目的を決めるだけで運用方針はほぼ決まってしまいます。

資産運用の試算はシミュレーションツールの活用が便利

具体的な積立額と将来いくらになるかは、金融庁のシミュレーションツールで簡単に算出できます。

金融庁 資産運用シミュレーションより

今回の条件では、想定利回り2%で月21,310円の積立設定、当初入金額はなしで1,044万円の目標金額に達する結果となりました。

ただしシミュレーションを行う際の注意点として、投資信託の利回り(1年あたりの利益率)は、一定ではありません。ある年はプラス8%でも、またある年はマイナス5%になることもありえます。シミュレーションは計画を立てる際に便利ですが、利回りのブレが考慮されていない点に注意しておいてください。

上記シミュレーションでは利回りのブレを考慮し、一般的な想定利回り3-5%よりも数値を低めに設定して試算を行っています。

ちばぎんマネーガイドでは、ライフプランシミュレーションをご用意しています。

簡単な質問に答える事で、将来の資金シミュレーションが可能です。

ネットで簡単シミュレーション:ライフプランシミュレーション

資産配分を考える

目標の利回りをシミュレーションできたら、その利回りを達成できるような資産配分(ポートフォリオ)を考えていきます。注意が必要なのは、一般的な想定利回り3~5%よりも高い数値でないと達成できないような計画は、非常に高いリスクを伴いやすいこと。そのような場合は、資産配分を考える前にシミュレーション部分で想定利回りを下げられないか、考えてみることが大切です。

利回りを前提とした資産配分を考える際、参考にしたいのが年金積立金を運用している「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」のデータです。GPIFでは2001年以降+3.17%の利回り(1年あたり収益率)を達成しています。GPIFの基本的な資産配分をまとめると、下記のようになっています。

  • 国内債券 25%
  • 外国債券 25%
  • 国内株式 25%
  • 海外株式 25%

参考: 基本ポートフォリオの考え方 

上記グラフを見るとキレイに4等分、バランスを取って資産配分されているのがわかりますね。年度によってポートフォリオの比率は若干コントロールされていますが、同様の資産配分であれば同じ想定利回りを達成できる可能性が高いといえます。資産ごとの想定利回りは、下記の資産別収益率一覧を参考にしてください。

<2011~2020年度 GPIF資産別収益率一覧>

  • 国内債券 1.42%
  • 外国債券 5.90%
  • 国内株式 10.64%
  • 外国株式 13.54%

参照:GPIF 過去の運用状況

上記を参考にしつつ、想定利回りを達成できそうなポートフォリオを考えてみましょう。

ポートフォリオを作る際はリスク度合いも考慮

ポートフォリオを組むうえで注意しなければならないのは、「リターンが高い資産ほどリスクも高い」ということ。安定的な利回りを実現するためには、リスクのコントロールも考えなければなりません。

一般的に、各資産のリスク度合いは下記の順で高くなります。

  1. 外国株式
  2. 国内株式
  3. 外国債券
  4. 国内債券

利回りが高いからと海外株式ばかりのポートフォリオを組んでいては、国際情勢が不安定になった場合に莫大な損失を被る可能性があります。このようなリスクを避けるためにも、複数の資産でポートフォリオを組むようにしてくださいね。

投資先を決める

最後に、いよいよ投資先を決めていきます。かといっていきなり国内株式や海外株式を自分で購入するのはハードルが高いですよね。

そのような場合におすすめなのが、「投資信託」です。投資信託は複数の投資対象資産がセットになっている金融商品で、細かな投資先選びを資産運用の専門家に任せる仕組みになっています。

例えば国内株式をポートフォリオに入れる場合、1社1社の業績を見ていくのは非常に大変で、かつ専門的な金融知識も必要になります。対して国内株式型の投資信託であれば、どの企業の株式を組み入れるのかを運用のプロが判断してくれます。したがって手間をかけることなく知識も不要で、安定的な運用を実現しやすくなるのです。

牛肉に例えると、卸市場で自分の見立てによりお肉を購入するのが個別投資、牛肉屋さんのおすすめ焼き肉パックが投資信託というイメージですね。

投資信託は1つの銘柄でも多数の投資先に配分して投資を行うので、資産配分の分散効果も高くなります。専門的な投資先選びに自信のない方は、複数分野の投資信託をポートフォリオに組み入れるのがおすすめです。

ネットで簡単銘柄比較はこちら:ファンドステーション

ポートフォリオ作成時のポイント

ポートフォリオを作成する際は、下記3つのポイントを押さえていく必要があります。

  • ライフプランに合ったものを作成する
  • 異なる動きの銘柄を組み合わせる
  • 定期的に成績を見直す

自身のライフプランに合ったものを作成する

ポートフォリオを作成する前に、まずはご自身のライフプランを簡単に考えてみましょう。例えば、何年後に子どもがこのくらいの年齢になって大学に入学する、とか、家を買うのに頭金をいついつまでにいくら貯める、など。このようにざっくりとした目標だけでも、ポートフォリオは格段に作りやすくかつ現実的なものになります。

ネットで簡単シミュレーション:ライフプランシミュレーション

異なる動きの銘柄を選択する

ポートフォリオを組む際は、異なる値動きの銘柄を組み合わせることが大切です。なぜかというと、同じ値動きをする銘柄ばかりでは、万が一の際に著しい影響を資産に及ぼしてしまうからです。例えば、資産の100%をある企業の株式に投資した場合、その企業の決算などが資産全体に影響することになります。

値動きによるリスクの分散は、株式投資や投資信託だけでなく全ての資産運用で重要なポイントです。記事内でご紹介した「卵は同じカゴに入れるな」ということわざがあるように、過度なリスク集中を避けながらポートフォリオを作りましょう。

定期的に成績を見直す

最後に重要なポイントが、定期的に成績を見直すことです。なぜなら市場の状況もライフスタイルも常に変化していくからです。10年前は最適だったポートフォリオが、今も最適なわけではありません。だからこそ、定期的な見直しが必要なのです。

見直すタイミングは、半年や1年などあらかじめ決めておくのがおすすめです。毎年誕生日でも良いですし、他の日でも構いません。重要なのは、定期的に成績を見ながら「リバランス」を行うこと。

リバランスとは、価格の上下によって崩れた保有割合を、適正に戻すことをいいます。例えば5対5の割合で国内株式と海外株式を購入したとしても、1年後には6対4、5年後には7対3というようなかたちで保有割合は崩れていきます。崩れたまま放置してしまい気づけば莫大なリスクを背負っていた、なんてことも少なくありません。

ご自身のペースで構わないので、とにかく定期的に成績を見直すこと。そしてもしポートフォリオの保有割合が崩れていたらリバランスを行い、安定したパフォーマンスを目指しましょう。

ポートフォリオの作り方について解説してきましたが、正直「自分で上手く作れる自信がない」「難しそうだな」と思われる方が、多々いらっしゃるかと思います。

千葉銀行では、以下をご用意しお客さまの、ポートフォリオによる資産運用をお手伝いいたします。

ちばぎんマネーガイド「おすすめコンテンツ」

マネーガイドTOPページの「おすすめコンテンツ」の中には、ポートフォリオをご自身で作成するために必要な以下のシュミレーションをご用意しています。

 ■あなたの将来予測を立てる

 ライフプランシミュレーション

 ■あなたに合う投信信託を見つける

 <ファンドステーション>

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 ■つみたてNISAについて知る

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また、通勤途中でもご覧になれる「動画セミナー」や、その他のシミュレーションもご用意しています。

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 セミナー・相談会

    

しっかりと未来を想像しつつ、ライフプランに沿ったポートフォリオを作りましょう。

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コラム内容を参考にする場合は、必ず出典元や関連情報により最新の情報を確認のうえでご活用ください。

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